幼児期を過ぎたら遅すぎる!? 英語を始めるのにベストな時期について考える

英語教育が大事なのはわかるけど、何歳から始めるのがいいの?小学生になってからでは遅すぎる?そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。インターネット上には様々な意見がありますが、幼児期に始めるのがベストというのが一番多いように思います。もちろん早いに越したことはないのかもしれませんが、それでは幼児期を過ぎたらもう遅いの?と不安になりますよね。

 

結論から言うと、あくまで私見ですが「たとえ幼児期を過ぎていたとしても、英語を始めるのに遅すぎるということはない」というのが、実際にアメリカで生活して子どもたちの学びを見守ってきた私の考えです。なぜそう思うのか、私がアメリカでの経験から学んだ大切なことを踏まえて、分かりやすく説明していきたいと思います。

 

※ここで言う『英語』とは、いわゆる受験のための英語ではなく、コミュニケーションの手段としての英語のことを指しています。

 

大人の3年、子どもの3年

まず、私の英語力についてお話させてください。中、高、大学で人並みに英語は学んだので、基本的な英文法と読み書きはある程度できます。それにもかかわらず、アメリカに来て3年になりますが、私は英語を話すのがあまり得意ではありません。ネイティブの英語は聞き取れてせいぜい半分。つまり、文法、ライティング、リーディングはできるのに、スピーキングとリスニングとなると全くダメという、典型的な日本人タイプだと思います。

これに対して、我が家の長男。渡米したときは7歳で、その時点では英語は全くといっていいほどできませんでした。その後、現地の小学校に1年通った時点で、私のリスニング力を遥かに超えて、先生の言っていることはほとんど理解しているようでした。2年経った時点では、スピーキングもすっかり上達して、私には到底まねできないRの発音を使いこなしています。

 

『耳で』学ぶ英語、『目』で学ぶ英語 

私と息子の違いは何なのか。もちろん、英語に触れる時間は息子のほうが圧倒的に多いのでそれも理由の一つですが、もう一つ決定的な違いがあることに気づいたのです。それは英語の学び方にありました。つまり、息子は英語を『耳』で学ぶのに対して、私は英語を『目』で学ぼうとしてしまうのです。

7才当時の息子は英語の文法なんて当然知らないし読み書きもできないので、『耳』で学ぶしかありません。そのため、まず初めに身についたのがリスニングでした。そう、私も含め多くの日本人がもっとも苦手とする分野です。それに続いてスピーキング、リーディング、ライティングという順序で成長していきました。それに対して私は、単語帳を暗記して、参考書を使って文法を学び、ときには字幕付きの映画を見て、とにかく『目』から英語を学ぶ機会が圧倒的に多かったのです。そのため、知識は増えても頭でっかちになるばかりで、いつまでたってもリスニングとスピーキングは上達しませんでした。日本で身につけた英語学習の習慣と知識が邪魔をして、生きた英語を学ぶ機会を自ら手放していたように思います。

 

『目』で学ぶ習慣がつく前に始めよう!

では、英語はいつから始めたらいいの?という初めの問いに戻りましょう。「幼児期を過ぎていても遅すぎるということはない。ただし、英語を『目』で学ぶ習慣が身につく前に始めると、より生きた英語を学びやすくなる!」これがアメリカでの生活から学んだ私の考えです。

なぜ『耳』から学ぶ方法が効果的なのか、赤ちゃんが母国語を学ぶプロセスを考えると分かりやすいと思います。赤ちゃんはまず大人が話していることをじっと聞いて、たとえ話せなくても一生懸命理解しようとします。そして大人の言葉をまねしはじめ、徐々に自分の言葉で話せるようになっていきます。読み書きができるようになるのは何年も後になってからですし、当然文法なんて気にしません。これはまさに息子が英語を学んだプロセスであり、本来ならこれが言語習得の自然な流れなのだと思います。それにもかかわらず、私を含め多くの日本人は完全にこの流れに逆らって英語を学んでいることになります。

 

まとめ

たとえ幼児期を過ぎていても英語を始めるのに遅すぎるということはない。ただし、英語を『目』で学ぶ習慣が身につく前に始めると、より生きた英語を学びやすくなる。これが私の結論です。別の言葉で言い換えると、英語が『勉強』になる前にとも言えるかもしれません。お子さんの英語教育についてお悩みの方は難しく考えずに、お子さんにとって英語がただの『勉強』になる前に、楽しく『耳」で学べる環境を用意してあげることが、生きた英語を学ぶためには大切なことなのかなと思いました。

 

ちなみに私の経験に置き換えると、高校受験の頃には『目』で学ぶ習慣がすっかり染み付いて、英語が『勉強』でしかなくなっていたように思います。皆さんはいかがですか?もちろん、大人になってからでは遅いということではありませんし、日本で学んだことが全く役に立たなかったわけでもありません。特に、英語を使ってお仕事をしたいとか英語の論文を書きたいとかそういう方にとっては、正しい文法などの知識はとても大切だと思います。ただ、私のように英語でコミュニケーションを楽しみたいのにリスニングやスピーキングで伸び悩んでいるという方は、赤ちゃんに戻った気持ちでいったん頭の中を空っぽにして『耳』から学びなおしてみるのも悪くないのかなと思います。私は少しずつ実践中ですので、私自身の成果も少しずつこちらでシェアできればと思っています(笑)

 

次回の記事では、具体的に子供たちが『耳』で英語を学ぶのにおすすめの方法を紹介したいと思います。お金をかけなくてもできることがたくさんあります。ご興味のある方はぜひ合わせてご覧くださいね!